今年の2月に閉館した劇場に入る機会があった。
あるべきものがない以外、およそ9ヶ月間眠っていたそこは、明日にでもまた新しい公演が行われるかのように、かつてのままの姿を留めている。
最後の公演が終わった後に、またいつか蘇るかも知れないとわずかな期待を残して置かれていた荷物を運び出しながら、今誰かがここをまた使おうと言えば、すぐにでも戻せるのにという思いで一杯だった。
次にここに人が大勢入る時は、もう取り壊される時だけだろう。
ずっとここで仕事をしてきた者として、最後に搬入口の扉を閉めた時にひとつの区切りを付けれたのかも知れない。
Posted by seizi at 2004年12月 1日 01:22 | TrackBack (0) | [EDIT]