旅公演終わってずっと事務仕事。もうすぐ年度末だし。
普段あまり使わない色の新色には興味なかったので気付かないでいたけど、普段よく使う色に近い色が出ているのに気付いた。
微妙に違うがそっくりなので、そういうあまり人の気付かない微かな色の違いをひとり楽しむ明かり作りをよくしているので、次に使ってみようかと思ったけど、そばにいた後輩に「この2色、こっちの方が少し濃いよなあ。」と話したら、「こっちが濃いですね。」とこちらの意見とは反した答えが帰ってきた。どうみても後輩の言ったのとは違う方が濃いと思ったので、別の人にも聞いてみたら、先の後輩と同じ意見。
ああっ、もしかしたら視力の衰え?老化現象?とちょっと焦りを感じた。照明家としての一番大事なものを失いつつあるのか・・・もうこの先、仕事出来ないかも。
「濃いというか、こっちの方が深いよなあ。」と聞いてみたら、「ああ、そうですね。」と納得する答え。
よかった、衰えて見えていないのではなく、捉えかたの違いだったんだ。
色を濃いと見るか、深いと見るか、その捉えかたの違いはいわゆる感性と呼ばれるものなのだろう。
ずっとその事にひっかかり続けてきて、若い頃はその感性が認められたら自然に仕事も増えてくるだろうと思っていたけど、自分の感性に従った明かりを作り続けていても一向に仕事は増えず、認められていないと思っていて、自分の感性はズレているんだとよく自信を失っていた。
でもだからと言って自分の気持とは違う作り方をする気になれず、っていうか出来なかったのでそのまま今に到る訳なのだが、最近でも一向に増える気配もなく、かと言って無くなっている訳でもなく、気がつけば後戻り出来ない歳になっていて、正しいのかどうか分からないけど、ここまで来たらもう自分を信じるしかないと開き直り始めている今日この頃です。