この間、ずっと好きだった劇団の芝居を久しぶりに見た。
でもチケットを買って観客としてではなく仕事がらみだったので、最初はブースかどこかでと思っていたけど、制作の人が座席を用意してくれていたので、申し訳なく思いつつもゆっくり客席で見る事が出来た。
関西の演劇人の知った顔もあり、挨拶しつつもお金払ってないので申し訳ないなあと思う。
本来、芝居を見るのは好きだけど、仕事絡みが多いのと、この仕事していると、どうしても芝居よりテクニカルな部分を気にしてしまうので、中々芝居を楽しめなくなっている。当然、面白い芝居はちゃんと楽しめるのだけど、少なからず、明かりやきっかけに気を取られてしまい、その何割かは他の人より損をしているに違いない。
どんなにうまい照明家が明かりを作っていても少なからず気になる部分が出てくる。
これはこの仕事を選んだ宿命だと諦めていた。
仕事を受けている劇団は、もちろん好きだから引き受けているので、たまにはブースではなくて、客席で楽しみたいと思うのだけど、なかなかそういう機会は少ない。
もちろん、人にオペレーターを頼んでいる時は客席で本番を見るけど、その場合は、もうオペレーターのきっかけの取りかたやクロスの返しかたとか、気になる事が多すぎてまったく落ち着かない。
今回の芝居の照明家は、もう10年以上の付き合いで私自身も随分影響を受けたすばらしい人だったので、その部分でもまったく安心、しかも好きな劇団だったので、本当に久しぶりに芝居を楽しむ事が出来た。
ふと、これはすごく幸せな事なんだなと気付いた。
この仕事を始めて芝居を一緒に作り上げる喜びばかりを感じていたけど、ただ芝居を見る事だけにも喜びがある事に今更気付いた気がする。
仕事を始めてから芝居を見るようになったので、今まで気付かなかった感覚だ。
でもすごく重要な事でもある。
今更だけど、そういう事を踏まえて何か先に進めればいいと考えさせられた。
Posted by seizi at 2006年4月 7日 18:01 | TrackBack (0) | [EDIT]