今、フランス人と一緒の現場に来ているが、向こうから来たスタッフの中に一人若い女性がいる。
舞台美術担当だが、本番は小道具とかの準備もしているらしい。
仕込みの時からずっと不機嫌でいつもしかめっつらして仕事をしていたが(大阪嫌い?)、今日、たまたま舞台から楽屋へ行くところで、彼女が水がいっぱい入った洗面器を両手で持っていて扉を開けれなかったので開けてあげると、初めてにっこりと笑い、「おおきに」と言った。
え?「おおきに」?
最近、とんと聞かなくなっていたので、懐かしいと感じた言葉だ。
そう言えば子供の頃は頻繁に耳にして当たり前に日常に流れていた言葉だったが、聞かなくなって随分時間が立つと思う。
今でも使う人がいるはずだが、私の身近では誰も口にしなくなっている。
やわらかくていい言葉なのに。
かわいい女の子からこう言われるなら、そりゃもうなんでもしてあげようという気になる。
誰が教えたのか知れないけど、そのフランスから来た彼女にとって大阪での「ありがとう」はずっと「おおきに」だと覚えておいてほしいと思った。
追加:調べて見ると関西だけじゃなくて高知や岐阜とかでも使うらしい。へえ~初めて知った。