関経連の劇場文化研究会が大阪の劇場閉鎖問題が深刻化した2002年6月に設置したワーキングチームの報告書だそうです。
観客層の偏在、公演日数の限定、人気タレント志向による演目の限定など関西の劇場文化の現状を分析し「劇場文化をもっと人と街のなかへ」を目指した提言を行っています。
関経連というおよそ小劇場など関心を持っていないであろうというイメージであったがこのような取り組みを行っている事はうれしいかぎりです。
現状分析などは日ごろ気になっていた事が的確に指摘されています。
ふとこれを読んで考えたのはこの事を作り手はどう捉えているのでろうかという事です。
いかに劇場文化を作る土台を用意してもそれを作り手がきちんと受け止めないと意味がありません。
ここ最近、閉鎖される劇場が増えて危機感を持ち関西の文化を守ろうという意気込みがクローズアップされていますが、それ以前から今回報告されている問題は存在していました。
けれどおそらくほとんどの人がそれを問題だとは思わずに来たために今の現状に至ったはずです。
公演を行う場所や機会をいくら増やしてもそれを使いこなせる、つまりきちんとそれに答えられる事をしなければ表面だけの劇場文化に終わります。
観客は役者(作り手)を甘えさせず、役者は客に媚びずに作品を作るという当たり前の事をもっときちんと認識する必要があるのではないでしょうか?
作り手の意識も大事ですがもう一つの大きな問題はきちんと芝居を見る事の出来る観客が少ない事です。
今一番重要な事は観客を育てる事だと常日ごろ思っていますが、それが一番難しい事かも知れません。
Posted by seizi at 2003年8月 1日 12:46 | TrackBack (0) | [EDIT]